受取配当等の益金不算入制度の改正
税理士 林 俊一のコラム(第28回)
平成27年度の税制改正では、法人税率の引下げの代替財源としての課税ベースの拡大の一項目として受取配当等の益金不算入制度が見直されました。
保有している株式等によっては、税負担が増加することにもなります。
改正の内容は次表のとおりです。
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完全子法人株式等 |
100% |
(100%) |
100% |
(1/3超100%未満) |
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(25%以上100%未満) |
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(5%超1/3以下) |
50% |
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上記以外の株式等 (25%未満) |
50% |
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(5%以下) |
20% |
そもそも受取配当等は、営業外収益として決算上は法人の利益となるわけですが、法人税法の考え方から配当を支払った法人側では課税済の所得から支払ったものであり、受け取った側でさらにこの配当に対して課税するとなると二重に課税することとなります。
このため、二重課税を排除する制度として「受取配当等の益金不算入制度」が設けられております。
今回の改正は、株式等の区分が3区分から4区分に増えていることから、益金不算入割合に注意が必要です。
また、受取配当等の益金不算入額は、株式等の区分によって負債利子(株式等の購入するための借入金に相当する支払利子)を控除して計算しますが、これについても見直されております。
改正前は関係法人株式等及びその他の株式等について負債利子を控除することとされていました。これが改正後は、関連法人株式等だけが負債利子を控除することとされ、その他の株式等、非支配目的株式等については、負債利子控除の対象外とされました。
なお、この制度改正の適用時期は平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。