通勤手当にかかる消費税について
税理士 林 俊一のコラム(第115回)
事業者が使用人等である者に支給する通勤手当のうち、その者がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具のために支出する費用に充てるものとした場合に、その通勤に通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに該当します。
従って、その通勤手当が所得税法上の非課税限度額を超えたため、その一部が給与に該当する場合であっても、消費税の取扱いにおいては、その通勤手当がその通勤に通常必要であると認められるものである限り、課税仕入れに該当することとなります。
ここでいう「その通勤に通常必要であると認められる部分の金額」とは、次の区分に応じその金額をいいます。
① 通勤のため交通機関を利用し、かつ、その運賃を負担することを常例とする者が受ける通勤手当
の場合
⇒その者の通勤に係る運賃、時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる
通常の通勤の経路及び方法による運賃の額
② 通勤のため自動車、バイクを使用する者が受ける通勤手当の場合
⇒その者の通勤に係る時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通勤の
経路によった場合に、その者が負担することとなる交通用具の燃料代
③ 通勤のため自転車を使用することを常例とする者が受ける通勤手当の場合
⇒所得税法で非課税とされる限度額の範囲内の額
なお、上記の「その通勤に通常必要であると認められる部分の金額」を超えて支給した場合には、超えて支給した金額について消費税は不課税仕入れとなりますのでご注意ください。