インボイス(適格請求書等保存方式)制度の概要-その1
税理士 林 俊一のコラム(第85回)
消費税の計算は次の計算方法で計算します。
消費税額=課税売上に係る消費税額(売上税額)―課税仕入れ等に係る消費税額(仕入税額)
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仕入税額控除
買手が仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿のほか、売手から交付を受けた「適格請求書」等の保存が必要となります。
インボイス(適格請求書)とは、「売手が買手に対して、正確な税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、登録番号のほか、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これに類する書類をいいます。
※一定の事項とは
次の事項が記載された請求書等です。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 取引年月日
③ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④ 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
令和5年10月1日以降は、売手は買手である取引相手から求められたときは、上記の赤字部分の事項を加えたインボイスを交付しなければなりません。
インボイスを交付できるのは、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」に限られます。