国外財産調書制度について
「 税理士 林 俊一のコラム (第7回) 」
平成24年度税制改正において創設された「国外財産調書制度」は、近年増加傾向にある国外財産に係る所得や相続財産の申告漏れに対応すべく、課税の適正化のために対処したもののようです。
概略は次のとおりです。
①居住者の方で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5千万円を超える国外財産を有する方が、必要な事項を記載した国外財産調書を、その年の翌年の3月15日までに提出することとされた。
②国外財産調書には、提出者の氏名、住所に加え、国外財産の種類、数量、価額、所在等を記載することとされている。
③適正に提出していただくために、所得等の申告漏れが発覚した場合において、加算税等の優遇措置と加罰措置が設けられている。
【優遇措置】→国外財産調書に国外財産の記載がある部分については、過少(無)申告加算 税を5%に軽減
【加罰措置】→国外財産調書の不提出・記載不備に係る部分については、過少(無)申告加算税を5%加重
最初の国外財産調書は、本年12月31日における国外財産の保有状況を記載して、来年3月15日までに提出することになるので、加罰措置もあることから、失念することなく提出したいものです。
札幌事務所 所長 税理士 林 俊一