認知症高齢者グループホーム用建物の賃貸に係る賃料収入の「消費税の取扱い」について
「 税理士 林 俊一のコラム (第6回) 」
先ごろ東京国税局が、事前照会のあった表題の見解について公表しております。
「認知症高齢者グループホーム用の建物の貸付は、その全体が住宅の貸付に該当し、賃料収入の全額を非課税として取り扱って差し支えないかどうか」の照会に対し、「事実関係を前提とする限り照会者の見解のとおりで差支えない。」との回答をしたものです。
理由としては、次のとおりです。
●認知症高齢者グループホームは、入居者が共同生活を営む住居において、入浴、排せつ、食事等の介護、その他の日常生活の世話を受ける場所であることから、単に寝食の場ということではなく、入居者が介護サービスの提供を受けながら日常生活を営む場であることから、事務室、ロッカールーム、談話室兼休憩室 なども住宅に含まれる。
●介護事業者との賃貸借契約書では、建物の使用目的を「介護保険居宅サービス事業」用途を「グループホーム」と明示していることから、介護事業者が住宅として転貸することが契約書その他において明らかである。
以上のことから、建物全体が住宅の貸付に該当し、消費税は非課税として取り扱って差し支えないと結論づけています。
今後、ますます不足することが見込まれるグループホームは、建物だけを建てて、介護事業者に賃貸するケースも選択として多くなると思われますので、参考になるのではないかと思っております。
札幌事務所 所長 税理士 林 俊一