給与が一部未払の場合の源泉徴収
税理士 林 俊一のコラム(第69回)
役員や使用人に支払われる給与等について、会社の資金繰りの都合でやむを得ず分割払いとなる
ケースがあります。
給与等に対する源泉徴収は実際に支払う際に行うこととなっています。
ただし、役員に対する賞与は、支払の確定した日から1年を経過した日までにその支払いがされない場合には、その1年を経過した日において支払いがあったものとみなされ源泉徴収を行う必要があります。
給与等の一部を支払い残額が未払となる場合には、支払うべき給与等の金額に対する所得税のうち、実際に支払う給与等の金額に対応する部分の
所得税を源泉徴収することとなります。
計算式は次のとおりです。
支払うべき給与等の総額に対する所得税×(実際に支払った給与等の金額÷支払うべき給与等の金額)
また、年末調整を行う際に未払残高がある場合には、その未払となっている給与等の金額も
年間の給与等の支払金額に含めるとともに、その未払給与等に対応する所得税の額も年間の
所得税の額の総額に含めたところで年末調整を行います。