役員に対する歩合給の支給は損金(経費)になる?
税理士 林 俊一のコラム(第68回)
会社の役員に対し従業員と同様に月額の固定給のほか、月々の各人別収入に応じた
歩合給を支給する場合があります。
役員に対して支給する給与で損金算入が認められるのは、定期給与のうち「その支給期間が1月以下の一定の期間ごとであり、かつ、その事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与」です。
これを定期同額給与といいます。
たとえ一定の算定基準に基づき、規則的に継続して支給されるものであっても、その支給額が同額でない給与は、損金になりませんので注意が必要です。
なお、固定給の部分と歩合給の部分とがあらかじめ明らかとなっている場合は、固定給の部分については、上記の要件を満たす限り損金の額に算入されます。
また、歩合給や能率給等は一般には、使用人兼務役員に対して支給されるケースが多い
と思われますが、使用人兼務役員に支給する使用人としての職務に対する給与については、
不相当に高額なものに該当しない限り損金の額に算入できます。
(注)使用人兼務役員とは
役員のうち部長、課長、その他会社の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、
常時使用人としての職務に従事する者をいいます。