退職金を受け取ったときの税金
税理士 林 俊一のコラム(第48回)
今後、高齢化社会がさらに続くと見込まれる世の中の状況ですが、老後の生活資金の一部に退職金を充てようと考えておられる方も多いのではないかと思われます。
退職金は、退職所得とされ次のような計算方法で退職所得を計算し、これに所得税率を乗じて税金を計算します。
(退職金-退職所得控除額)X 1/2 = 退職所得金額
退職所得金額 X 所得税率 = 所得税額
※1退職所得控除額の計算の表
<勤続年数> <退職所得控除額>
20年以下 勤続年数×40万円(最低80万円)
20年超~ (勤続年数―20年)×70万円+800万円
※2所得税率(速算表)
<退職所得金額> <税率> <控除額>
195万円以下 5% -
195万円超~330万円以下 10% 9万7,500円
330万円超~695万円以下 20% 42万7,500円
以下省略します。
この、計算式のとおり勤続年数に応じて退職所得控除額が増えるので、仮に高校卒のサラリーマンが定年(60歳)まで勤務したとすると、勤続年数は42年となることから、退職所得控除額は(42年―20年)×70万円+800万円=2,340万円となります。
つまり、退職金が2340万円までは、無税ということになり、優遇税制と言われるゆえんとなっております。
これは、会社経営者の皆様が、退任に当たって支給されることとなる、役員退職給与についても同様の計算がされます。