林 俊一 - ライブラリー

非常用食料品の取扱い

                            税理士 林 俊一のコラム(第47回)

 地震大国である日本は、東日本大震災にみられるように大きな災害に見舞われる可能性が非常に高い国です。

 そのため、全国的に防災対策の一環として缶詰類や水などの非常用食料品を備蓄する法人も増えているのではないかと思われます。

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 そこで、今回は、その税務上の取扱いについてお話します。

 地震時などの災害時における非常用食料品には、フリーズドライ食品など長期間保存が可能なものもあります。

 これらは、備蓄時に事業の用に供したものとして、その時の損金の額(消耗品費)に算入して差し支えありません。

上記の理由としては、次のとおりです。
 
・食料品は繰り返し使用するものではなく、消耗品としての特性をもつものであること
 
・その効果が長期間に及ぶものであるとしても、食料品は減価償却資産又は繰延資産に該当せず、
  一般的に消耗品として取り扱われること
 
・仮に非常用食品が法人税法に規定する棚卸資産の範囲に掲げる「消耗品で貯蔵中のもの」
  であるとしても、災害時用の非常食は備蓄することをもって事業の用に供したと認められること
 
・類似物品として、消化器の中味(粉末又は消化液)は取替時の損金として取り扱っていること

                           
                            札幌事務所 所長 税理士 林 俊一