社長に対する貸付金の利率
税理士 林 俊一のコラム(第42回)
会社の役員である社長、取締役などへの貸付金については、一定の利率により利息を収益に計上する必要があります。
この利息は認定利息と呼ばれております。
仮に無利息で貸付すると、税務上は一定の利率で計算した利息相当額は給与とみなされ、所得税が課されることとなります。
一定の利率については、「利息相当額の評価」として、所得税基本通達36‐49により取扱いが定められております。
これによると
他から借り入れて貸し付けたものが明らかである場合・・・その借入利率
その貸付金が自己資金だった場合・・・特例基準割合
※特例基準割合とは、各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に年1%の割合を加算した割合をいいます。
なお、特例基準割合による適用は平成26年1月1日以後となっており、従来の利率に比べ低率となっておりますのでご注意ください。
各年の利率は次のようになっております。
平14.1.1~18.12.31⇒4.1%
平19.1.1~19.12.31⇒4.4%
平20.1.1~20.12.31⇒4.7%
平21.1.1~21.12.31⇒4.5%
平22.1.1~25.12.31⇒4.3%
平26.1.1~26.12.31⇒1.9%
平27.1.1~27.12.31⇒1.8%
平28.1.1~ 1.8%
ただし、災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった役員等に合理的と認められる返済期間で貸付する場合は、給与として課税されることはありません。