有料老人ホームが入居一時金を受領した際に交付する「預り証」
税理士 林 俊一のコラム(第41回)
全国有料老人ホーム協会が東京国税局に対し、表題の件について 印紙税法別表第一《課税物件表》にある「金銭又は有価証券の受取書で売上代金等以外のもの」(第17号の2文書)に該当すると解してよろしいかという照会に対し、次のとおり照会のとおりの取扱いとはならないとする
文書回答を行っています。
印紙税法別表第一《課税物件表》に掲げられる「金銭又は有価証券の受取書で売上代金等以外のもの」とは、金銭又は有価証券の引渡を受けた者がその受領事実を証明するために交付する単なる証拠証書をいう。
一方、「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」とは、資産を譲渡し若しくは使用させること又は役務を提供することによる対価、つまり、ある給付に対する反対給付の価格として受取る金銭又は有価証券の受取書をいう。
入居一時金は
① 老人ホームが入居者から終身にわたって受領すべき家賃相当額の全部又は一部を前払金として一括で受領するものであること
② 老人ホームが入居者との間で締結する有料老人ホームの入居に係る契約において、目的施設を終身にわたって利用するための家賃相当額に充当するものであること
③ 老人福祉法上、家賃、敷金及び介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として受領するものであるとされていること
このことから、入居一時金の受領事実を証明する文書である「預り証」は、「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」(第17号の1の文書)に該当すると回答していますので、参考としてください。
札幌事務所 所長 税理士 林 俊一