財産債務明細書が変わります
税理士 林 俊一のコラム(第33回)
財産債務明細書とは、所得税の確定申告書を提出する方のうち、その年の所得金額の合計額が2千万円を超える場合に、財産の種類、数量、価額や債務の金額を記載した明細書を確定申告書の提出の際に同時に提出することとなっています。
この明細書が「財産及び債務の明細書」というものです。
平成27年度の税制改正で次のように改正されました。
- 提出基準
現行は「所得金額2千万円超」ですが、改正後は「所得金額2千万円超かつ総資産3億円以上又は有価証券等1億円以上」に改正になっています。
従来の2千万円超の要件に総資産3億円以上等の要件が加わりました。
つまり、提出基準が緩和されたことを意味します。
- 記載内容
現行は財産の種類(土地、建物、預貯金、有価証券など)、数量、価額を記載することとされていますが、改正後はこれに加え不動産は所在地別に、有価証券は銘柄別に、価額は時価(見積価額も可)を記載することとされ、国外財産調書の記載事項と同様の内容となります。
- 名称の変更
「財産及び債務の明細書」から財産債務調書」に変更となります。
以上ですが、財産債務調書の不提出及び虚偽記載があった場合でも今のところ罰則規定はないようですが、毎年その年の翌年の3月15日が提出期限ですので、期限内の提出を心掛けたいものです。
なお、適用時期は平成28年1月1日以後に提出すべき財産債務調書に適用されます