中古資産の耐用年数
税理士 林 俊一のコラム(第25回)
建設機械、自動車などを購入すると、その購入費用は原則として一度に経費とすることができず、税務上は定められた耐用年数の期間で徐々に減価償却として経費化されていきます。
耐用年数は、資産の種類ごとに法律により定められています。
しかし、中古資産を取得すると法定耐用年数によることを原則としつつ、その特則として次の何れかの方法により耐用年数を算定し、減価償却することが認められています。
(見積法)…資産を事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積られる年数
(簡便法)…使用可能期間の見積が困難であるときに、次の算式により算定した年数
イ 法定耐用年数の全部を経過した資産
法定耐用年数×20%(最低2年)
ロ 法定耐用年数の一部を経過した資産
(法定耐用年数―経過年数)+経過年数×20%
(注)これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には2年とします。
ここで、「見積法」は、その中古資産の使用状況、取得時までの損耗の度合い、材質、構成の状況等の具体的なデータを基礎として、取得後の耐用年数を見積る方法で、かなり技術的な資料が必要となることから、現実的には「簡便法」により耐用年数を見積る方が多いのではないかと思われます。
なお、留意すべき点は次のとおりです。
○ 中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額が、その中古資産の再取得価額の50%相当額を超える場合には、上記の見積はできず法定耐用年数を適用することとなります。
○ 見積法、簡便法による耐用年数の算定は、その事業の用に供した事業年度においてすることができます。したがって、当初法定耐用年数を適用し、その後の事業年度においてその年数より短い年数に変更することはできないことになります。