税務調査の「再調査」について
税理士 林 俊一のコラム(第24回)
平成23年度12月の税制改正により、税務調査手続の明確化が図られ、国税通則法(以下「改正法」といいます)に規定されました。
平成25年1月1日に施行されておりますが、今回は税務調査終了後の手続のうち「再調査」についてお話しします。
改正法においては、更正決定等をすべきと認められない旨の通知が行われた後又は調査の結果、修正申告等又は更正決定等が行われた後は「新たに得られた情報に照らし非違が認められるとき」でなければ、再調査が認められないこととなっています。(改正法74条の11第6項)
この「新たに得られた情報」の意義については、国税庁から法令解釈通達が出されております。
これによりますと、税務調査において質問検査等を行った税務職員等が、更正決定等をすべきと認められない旨の通知又は更正決定をすべきと認められる調査結果の内容説明を行った時点において有していた情報以外の情報をいうとされています。
このように再調査が制限されている点は評価すべきです。
しかしながら、いかなる場合が「新たに得られた情報に照らして非違があると認めるとき」に該当するのか不明確な点もあり、納税者の立場としては、税務調査時に提出した資料等は後に確認できるように記録しておくなど、今後対策が必要になってくると思われます。