会社員が自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却
税理士 林 俊一のコラム (第13回)
今回は、消費税の課税対象のお話です。
余剰電力の買取りは、低炭素社会の実現に向けて太陽光発電の普及拡大を目指すため、法律に基づき平成21年11月より開始されました。
内容としては、太陽光発電による電気が、太陽光発電設備が設置された施設において消費された電気を上回る量の発電をした際、その上回る部分を電力会社が一定期間買取ることとされているものです。
これによって得た収入が消費税の課税対象となるのかどうかといったことです。
消費税の課税対象となる取引は次の①~④の要件を満たすものです。
①国内において行う(国内取引)取引であること
②事業者が事業として行うものであること
③対価を得て行うものであること
④資産の譲渡、資産の貸付又は役務の提供であること
余剰電力の売却は、会社員が事業の用に供することなく、生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた電気のうち使い切れずに余った場合に、その部分を電力会社に売却しているものです。
したがって、上記の②の要件を満たしていませんので、消費税の対象となりません。
なお、上記のような売却収入について所得税法上の所得区分は、給与所得者が太陽光発電設備を家事用資産として使用しその余剰電力を売却しているものですから、雑所得に該当することとなります。
岩見沢事務所 所長 税理士 林 俊一