居住用財産の譲渡特例を適用した場合における住宅ローン控除の適用見直し
税理士 高橋 徹 のコラム(第29回)
令和2年度税制改正において、新規住宅の居住年から3年後に従前住宅を譲渡した場合において、その譲渡について譲渡所得の課税の特例(3,000万円の特別控除、買換え・交換の特例など)を適用するときは、新規住宅について住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用ができないこととなります。
居住用財産の譲渡所得の課税の特例については、居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までの譲渡について適用が可能となっています。
一方、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用については、居住年を含めた前後2年間について居住財産の譲渡所得の課税の特例を受けている場合には、適用されないこととされています。
そのため、新住居の取得について住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受けた3年後に旧住居を譲渡した場合、居住用財産の譲渡所得の課税特例、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)のどちらもが適用可能でした。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)及び譲渡所得の課税の特例等の併用を制限している制度の趣旨から見て不適切であるとの考えから改正されることとなったものです。
上記の改正は、令和2年4月1日以後に従前住宅等の譲渡をする場合について適用されます。