非上場株式の評価見直し~その2
税理士 高橋 徹 のコラム(第4回)
前回は非上場株式の評価について、平成29年度の税制改正により類似業種比準方式において「配当金額」「利益金額」「簿価純資産価額」の三つの比準要素を「1:3:1」のウエートで計算していたものが、「1:1:1」に改正されたことをお伝えしました。
今回は、会社規模に応じて計算される評価会社の規模基準が全体的に下がることにより、株価の下がる会社が多くなる改正について説明します。
非上場株式の発行会社の規模は、上場会社に匹敵するものから(大会社)、個人企業と変わらないもの(小会社)、これらの中間の規模のもの(中会社、更に中会社は大・中・小と3区分される)まで様々であり、会社の規模と関係なく同一の評価方法により評価することは適当でないため、それぞれに適した評価方式により評価されます。
具体的には、大会社は「類似業種比準方式」、小会社は1株当たりの「純資産価額方式」、中会社は大会社と小会社の評価方法を併用する「併用方式」で株価を評価します。
この会社規模については、総資産価額、従業員数及び年間取引金額に応じて判定することとされています。
改正により、特に年間取引金額の基準が大幅に下がり、これまでと比べて大会社及び中会社の適用範囲が拡大され(会社規模が上の区分にシフト)、結果として株価の下がる会社が多数出てくると思われます。
今回の改正を踏まえて、自社の株価を再評価することをお勧めします。