100年企業をめざす「事業の承継」(第84回)
85.種類株式を組み合わせると節税できるって本当ですか?
POINT
1 ► 税を抑え、経営権を保持し、株式を移転する方法 |
◎ ———— 税を抑え、経営権を保持し、株式を移転する方法
下の図になる9種類の種類株式を使い分けたり、組み合わせて活用することで、さまざまな経営上の効果が期待できます。
【種類株式の組み合わせと節税】
例えば、生前に後継者へ株式を承継する方法として、暦年贈与や相続時精算課税制度を使うことができます。しかし、暦年贈与は基礎控除を超えると贈与税がかかります。また、相続時精算課税制度は、相続税の対象にならない場合があります。
そこで、新株予約権と無議決権株式を組み合わせた方法で、節税しながら後継者に経営権を移転することができます。また、事業承継にともない、経営者の所有する株式を、後継者へ贈与や譲渡などで移転させる段階で、経営者の持つ株式の割合が減少します。そうすると、経営者に次の権利が失われることになります。
● 役員選任権は、普通株式で2分の1超の議決権
● 特別決議を阻止する場合は、3分の1超の議決権
この時に「拒否権付種類株式(黄金株)」が有効となります。資金調達のためには、剰余金配当優先株式と議決権制限株式の組み合わせが有効です。
このように、複数の種類株式を活用して、自社にあった事業承継方法を見つけて下さい。
次回タイトル
【役員選任権付種類株式の活用方法を教えてください】
H28.8.15 更新予定です。 どうぞお楽しみに