役員給与の定期同額給与とは
税理士 林 俊一のコラム(第108回)
役員の給与については、平成18年の税制改正により原則損金不算入とされ、損金算入できるのは、①定期同額給与 ②事前確定届出給与 ③業績連動給与とされています。
ここでいう定期同額給与とは次に掲げるものをいいます。
(1)その支給時期が1月以下の一定期間ごとで、
その支給時期における支給額が同額である給与
(注)「その支給時期が1月以下の一定の期間ごと」である給与とは、あらかじめ定められた支給基準
に基づいて、毎日、毎週、毎月のように月以下の期間を単位として規則的に反復又は継続して
支給されるものをいいます。
(2)定期給与で、次のような給与改定がされた場合におけるその事業年度開始の日又は給与改定前の
最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日又はその事業年度終了の日までの
間の各支給時期が同額であるもの
①その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日までにされた定期給与
の額の改定
②その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な
変更その他これらに類するやむを得ない事情によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の
改定
③その事業年度においてその法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由に
より改定された定期給与の額の改定
(3)継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定である
もの
以上のとおりですので、例えば非常勤役員に対する給与で、その額が各月ごとの一定額を基礎として定められているものであっても、年俸又は期間俸として年1回又は年2回といった所定の時期に支給するものは、支給時期が1月以下の一定の期間ごとである給与に当たりません。従って定期同額給与に該当しないことから、損金不算入となりますのでご注意ください。