給与等の支給額が増加した場合の法人税額の控除
税理士 林 俊一のコラム(第91回)
令和3年度の税制改正により中小企業向け所得拡大促進税制の見直しがなされ、中小企業者等が前年度より給与等を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税から税額控除できる制度が次のとおり改正されております。
1 適用対象法人
資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下の法人
(一部除かれる法人があります)
2 適用要件
(1) 国内雇用者に対して給与等を支給すること
(2) 雇用者給与等支給額(※1)が前年度から1.5%
以上増加していること
※1 適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される全ての国内雇用者に対する給与等の支給額をいいます。
この際に、雇用調整助成金等の額は控除しないで判定します。
(3) 令和3年4月1日以後に開始した事業年度(つまり、令和4年3月決算)であること
3 税額控除限度額
税額控除限度額=雇用者給与等支給額の対前年度増加額(※2)×15%
※2 この際に、雇用調整助成金等の額を控除します。
なお、上記の算式により計算した額が、その適用年度の法人税額の20%を超える場合には、
その20%相当額が限度額となります。