役員に社宅を貸与する場合の家賃の決め方
税理士 林 俊一のコラム(第77回)
役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から1か月当たり一定額の家賃(賃貸料相当額といいます)を受けとっていれば、給与として課税されることはありません。
ここでは、小規模住宅の場合の賃貸料相当額をお話しします。
(注)
小規模な住宅とは、建物の床面積で判定します。
建物の耐用年数が30年以下の場合には床面積が132㎡以下である住宅、
建物の耐用年数が30年を超える場合には床面積が99㎡以下である住宅
をいいます。
賃貸料相当額の算式は次の(1)から(3)の合計額となります。
(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
(2)12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3㎡)
(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
このように煩雑な計算式ですが、弊社のお客様で借上社宅を役員に賃貸しているケースで「賃貸料相当額」と法人負担の「月額家賃」を比較してみると次のとおり賃貸料相当額は実際の月額家賃より相当低い額といえます。
※マンションA
上記算式の賃貸料相当額 8,110円
実際の月額家賃 68,000円
上記事例では、役員から家賃として8,110円以上徴収していれば実際の月額家賃68,000円
と賃貸料相当額8,110円の差額59,890円は、給与として課税されることはありません。
役員から徴収する賃貸料をいくらにするかを決める際の参考にしてください。
なお、小規模住宅でない場合には賃貸料相当額の算出方法が異なりますのでご注意ください。