ふるさと納税が簡単にできます
税理士 林 俊一のコラム(第31回)
平成27年度税制改正により、①都道府県、市区町村に対する寄付金(ふるさと納税)について、税額控除される限度額が引き上げられました。
また②確定申告が不要な給与所得者等がふるさと納税を簡素な手続きで行える「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されました。
1.ふるさと納税制度の概要
自分の生まれ故郷や応援したい自治体などに寄付をすると、寄付金のうち2千円を超える部分について、一定の上限まで原則として所得税、
個人住民税から全額が控除される制度です。
控除を受けるためには寄付をした翌年に確定申告を行うことが必要です。
※現行の控除限度額の計算
① 所得税・・・・・(寄付金―2千円)を所得控除(所得控除額×所得税率が軽減)
② 個人住民税(基本分)・・・(寄付金―2千円)×10%を税額控除
③ 個人住民税(特例分)・・(寄付金―2千円)×(100%-10%(基本分)-所得税率)
(注)1.①、②により控除できなかった寄付金額を③により全額控除
(注)2.③の控除額は、個人住民税所得割額の1割が限度
2.今回の改正内容
(1) 特例控除額の引上げ
平成28年度以後の個人住民税について、1.③の(注)2にある個人住民税所得割額の1割を2割まで引き上げられました。
(2) ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設
ふるさと納税を行うためには、現行の制度上必ず確定申告を行う必要がありました。
ところが、平成27年4月1日以後に行われる寄付より、確定申告を行わない給与所得者等、すなわち年末調整をして確定申告を行わないサラリーマン等が寄付をした場合は寄付先の地方自治体に控除申請を行うことができる制度が創設されました。
これにより、寄付する地方自治体が5か所までの場合は、確定申告する必要がなくなり手間が省けます。
地方創生の一助になるかもわかりませんので、一度、体験してみてはいかがですか。
実は、私も九州の某市町村にふるさと納税をさせていただき、貴重な経験をしました。