会社役員賠償責任保険(D&O保険)の新たな取扱い
税理士 林 俊一のコラム(第37回)
会社役員賠償責任保険(D&O保険)とは、会社役員としての業務の遂行に起因して、保険期間中に損害賠償請求がなされたことによって被る損害を補償する保険をいいます。
D&O保険は、第三者訴訟と株主代表訴訟に分けられ、株主代表訴訟のリスクを担保する部分は特約(株主代表訴訟担保特約)とするのが一般的なようです。
従来はこの特約部分について、会社が保険料を負担した場合、役員に対して経済的利益の供与があったものとして給与課税されていました。
今般、国税庁から 「新たな会社役員賠償責任保険….pdf」 の情報が発信されました。
これによると、①取締役会の承認 ②社外取締役が過半数の構成員である任意の委員会の同意又は社外取締役全員の同意の取得、の手続きを行うことにより会社法上適法に負担したものであれば、会社負担であっても今後は給与課税の対象から除外されることになりました。
平成27年7月に経済産業省の研究会が公表した報告書において、会社法上適法に負担することができるとの解釈が示されたことを受け税法上でも同様の上記手続きを踏めば給与課税しないこととしたものです。