配達サービスで得た収入は何所得?
コロナ禍において生活様式が日々変化していく中で、おうち時間を満喫するためのアイテムやサービスが益々拡充されているように思います。
そんな中でも札幌市内ではついこの夏から『UberEeats』と書かれた黒いリュックを背負い自転車やバイクに乗る人を見かける機会が多くなりました。
UberEats(ウーバーイーツ)とは?
・アメリカのウーバー・テクノロジー社が展開しているフードデリバリーサービス
・日本ではUberJAPAN社が2016年に東京都内でサービスが開始したのを皮切りにその範囲が広がっている
・料理を提供したいお店⇄ウーバー社⇄配達パートナーで業務委託契約を締結し配達活動を行う
・料理提供店はウーバー社へ手数料を支払い、ウーバー社が配達パートナーへ報酬を支払うことで成り立っている
このサービスは来店客が減った飲食店と自粛生活を強いられた消費者を繋ぐための一助を担っているようです。
さて、そこで今回注目したいのは『配達パートナーの収入は何所得』に該当するのかという点です。
上記の通り配達員はUber社から社員やアルバイトのように給与を得ているわけではなく『業務委託契約』を締結しています。
登録説明会では「確定申告は個人で行ってください」と通知されるようですが、つまりこの収入は給与所得ではなく『事業所得』または『雑所得』に該当することになります。
そして、所得=収入金額-必要経費の金額が次の場合には確定申告が必要となります。
・専業の社会人→年48万円を超えるときは事業所得
・副業の社会人→本業以外で年20万円を超えるときは雑所得
また、学生さんにおいては所得が年48万円を超えるとき、個人事業主としての確定申告が必要になるほか親の扶養から外れなければならない点も注意が必要です。
個人事業主として基礎控除である48万円を超える収入を得ているのならば、経済的に自立できているとみなされるためです。
自転車や原付バイクで手軽に配達ができる観点からも多くの学生さんが配達パートナーとして活躍されていますが、親御様は扶養に入っているお子様がどの程度の収入を得ていて、金額によっては扶養外となってしまうケースもあることを予め相談しておく必要が有るかもしれません。
次に配達員の必要経費についてですが主に下記のものが該当します。
・自転車またはバイクなどの購入費用(10万円以上の場合は減価償却)、リース料
・ガソリン代
・スマートフォン代
・通信費
・UberEatsの保冷バッグ代金
・スマホホルダー、モバイルバッテリーなどの消耗品
これらの経費については配達活動に使った分とプライベート利用分を按分して、配達活動分のみが必要経費となります。
ちなみにここまでのお話は『所得税』の視点でしたが、『住民税』は基礎控除が43万円で申告の対象となる所得が異なります。
確定申告を行えば自動的に住民税の計算もされますが、住民税のみ申告が必要となるケースもありますのでご注意ください。
2020年も残り4ヶ月となりますが、UberEats配達パートナーとして活動されている皆様におかれましては配達活動で得た収入についても確定申告をお忘れなきようどうぞ宜しくお願い申し上げます。
私ども中野会計事務所では、法人決算はもちろん個人事業主様の確定申告も多数承っております。
働き方が多様化する現代においては個人で事業を起こされる方も多くなるのではないかとお見受けしますが、どんなことでもお気軽にご相談を頂けますと幸いです。