交通事故の損害賠償金
税理士 高橋 徹 のコラム(第12回)
交通事故に遭って加害者から損害賠償金等を受けたときの相続税等の取扱いは次のとおりです。
1 死亡に対する損害賠償金
被害者が死亡したことに対して支払われる損害賠償金は、相続税の対象ではなく、
遺族の所得になり所得税の対象となりますが、所得税法上非課税規定がありますので、所得税がかからないことになっています。
ただし、被害者が生存中に損害賠償金を受け取ることが決まっていたが、受け取らないうちに死亡してしまった場合は、その損害賠償金を受け取る権利すなわち債権が相続財産となり、相続税の対象となります。
2 資産の損害に対する損害賠償金、治療費、慰謝料
被害者が次のような損害賠償金、治療費、慰謝料などを受け取ったときは、これらの損害賠償金等に対する所得税が非課税となります。
① 事故による車両等の破損について受ける損害賠償金
② 心身に加えられた損害について支払を受ける治療費や慰謝料
③ 心身や資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金
ただし、これらの損害賠償金のうちに、その被害者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、その補てんされた金額に相当する部分については、各種所得の収入金額とされます。