事業承継税制の見直し
税理士 高橋 徹 のコラム(第9回)
平成30年度の税制改正により政府は中小企業の事業承継を後押しすることとしました。
これまで使い勝手が悪いと言われてきた非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予制度が
大幅に見直され、懸案とされていた部分が解消されます。
具体的には、
① 受け継いだ株式にかかる相続税
(負担を軽く)
株式の3分の2について80%まで猶予
(猶予されるのは53%)
↓
全株式について全額猶予(100%猶予)
② 猶予の対象者
(承継しやすく)
筆頭株主のみ
↓
最大3人の後継者まで対象を拡大
③ 雇用要件
(人手不足に対応)
5年間平均で8割の雇用を維持
↓
雇用確保要件の弾力化(事実上の撤廃)
今回の改正は、平成30年1月から10年間に限定した特例措置となっていますので、
有効に活用したいものです。
専門家へ相談されることをお勧めします。