住宅ローン控除の適用誤りスルーが発覚!
税理士 柏樹 正一のコラム(第31回)
住宅ローン控除は、ローンで住宅を取得する場合に、毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない金額の1%(一般住宅の場合最高40万円が限度)が10年間にわたり所得税の額から控除されるものです。
国税庁は、昨年末、会計検査院の指摘によって、住宅ローン控除と住宅取得等資金の贈与の特例(直系尊属から住宅等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例)のいずれも申告している場合等における、住宅ローン控除の適用誤りの多くを見過ごしていたことが発覚したと公表しました。
見過ごされていた適用誤りは、次のケースです。
1 住宅ローン控除額計算の一要素である住宅の
取得対価について、住宅取得等資金の贈与の特例を受けた場合はその住宅取得等資金を
住宅の取得対価から差し引く必要があるにもかかわらず、誤ってその減額をせずに計算して
いた。また、住宅取得等資金の贈与の特例適用者について、その適用を受ける年分の所得税の
合計所得金額が2,000万円を超える者は適用を受けることができないにもかかわらず、
誤って適用を受けていた。
2 取得した住宅を居住の用に供した年分及びその前後2年分ずつの計5年分の間に、
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除等の特例を適用した場合には、
住宅ローン控除の適用を受けることができないにもかかわらず、誤って適用を受けていた。
このようなケースで、誤った申告をして是正を要すると見込まれる方に対しては、
税務署が個別に是正の指導を行うようですが、今後、住宅を取得し住宅ローン控除の適用を考えている方は、このような誤りがないよう注意していただきたいと思います。
※ 詳しくは、「国税庁ホームページ→新着情報→(特定増改築等)住宅借入金等特別控除等の適用誤りに関するお知らせ(平成30年12月11日)」を参照してください。