青色申告特別控除について
税理士 柏樹 正一のコラム(第24回)
個人の青色申告者にはいろんな特典がありますが、その一つに所得金額から最高65万円 又は
10万円を控除できるという青色申告特別控除があります。
【1】65万円の青色申告特別控除
この控除は、
①不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んで
いること
②正規の簿記の原則により記帳していること
③貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付
し、この控除の適用を受ける金額を記載して、
法定申告期限内に提出すること、という
三つの要件を満たしている方が受けられます。
【2】10万円の青色申告特別控除
この控除は、上記1の要件に該当しない方が受けられます。
従いまして、事業的規模(5棟10室基準)に満たない不動産貸付けのみを行っている方や
期限後申告を提出する方などは10万円の特別控除となります。
【3】青色申告特別控除の計算
不動産所得の金額と事業所得の金額の合計額から控除します。
この合計額とは、損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に
赤字が生じている場合は、その損失はないものとして合計額を計算します。
【4】青色申告特別控除の控除順と注意点
控除の順序は、不動産所得の金額、事業所得の金額の順に控除します。
この場合、注意したいのは、65万円控除については、事業所得がある方は、不動産所得が
事業的規模に満たなくとも不動産所得から控除できることです。
また、事業所得が赤字でも、事業的規模に満たない不動産所得が65万円以上ある方は、事業所得の損失はないものとして合計額を計算しますので不動産所得の金額から65万円控除できます。