柏樹 正一 - ライブラリー

障害者控除の遡及適用について

                           税理士 柏樹 正一のコラム(第4回)

 3年前から事実上障害者であった方が障害者手帳の交付申請を行っておらず、
昨年の12月に交付申請し、paralympic_wheelchair_basketball (1).png 本年2月に交付を受けた場合、
過去の年分に遡って所得税の障害者控除を受けることができますかという質問が寄せられました。

 障害者に該当するか否かの判定には高度の専門的な知識が必要ですので、税法上は、専門家の判定に委ねるという形式的要件が採用されています。

 障害者手帳の交付もこの形式的要件の一つで、障害者手帳の交付という要件を満たさない限り、障害者の認定はできないとされています。

 ただ、障害者手帳の申請から交付までのタイムラグを考慮して、確定申告書を提出する時点で手帳の交付申請中である方や手帳の交付を受けるための医師の診断書を持っておられる方で、その前年12月31日の現況において手帳の交付を受けられる程度の障害があると認められる方は障害者に該当するものと取り扱われています。

 従いまして、ご質問のケースでは、平成27年分については障害者控除の適用を受けられるでしょうが、残念ながら、平成26年分以前については適用を受けられないこととなります。

                          札幌事務所 副所長 税理士 柏樹 正一