「駆け込み商戦に踊らされて」
税理士 古御堂 弘のコラム (第12回)
4月1日に消費税率が17年ぶりに5%から8%に引き上げられました。
3月の最終週の新聞、テレビでは消費税が増税になる前にと駆け込み・まとめ買いをしているとの報道がやたらと目につきました。
家電量販店では冷蔵庫・エアコンが品薄になったとか、スーパーではトイレットペーパーや洗剤など生活必需品が棚から消えたなどの記事に、つい私もJRの定期券6ヶ月分をはじめ、日持ちする日用品をまとめて買ってきてしまいました。
ところが、4月1日になってみるとどうでしょう、消費の冷え込みを懸念して「8%引き」や「価格据え置き」と銘打ったセールや「3~5割引セール」などあちこちで行われており、3月中にまとめ買いしてなんか損をしたような気がしております。
平成27年10月1日にはさらに10%へ再度引き上げられることが法律で決まっております。
この機会ですから増税前にまとめ買いをしなくてもすむ商品は何か調べてみておく必要はありそうですね。
でも、すんなり10%に引き上げられるのでしょうか?
安倍首相は、10%に引き上げるかどうかは、「7月~9月の景気の動向を吟味し、総合的に判断する」と年末までに結論を出すと明言しています。
しかし、再引き上げによる景気の落ち込みの懸念が来春の統一地方選挙戦や長期政権をにらむ安倍首相が再選を目指す来秋の自民党総裁選に影響する可能性があるため、先送りになるのではとの見方もあります。このままでは、膨張する社会保障費によって財政再建はさらに困難となり、膨大な国の借金を孫子の代に背負わせることになってしまいますから、それは許されることではありませんよね。
苫小牧事務所 所長 古御堂 弘