民法の成年年齢の見直し
税理士 高橋 徹 のコラム(第22回)
平成30年の民法改正に伴い、「成年年齢を20歳から18歳に引き下げる」という改正が行われました。
これによって、これまで法律上の要件が成年(20歳)とされてきたもの全てが18歳とされるのではありませんが、相続に関連する事項としては、遺産分割協議において、未成年者の親権者が共同相続人であるなど民法826条(利益相反行為)の規定により特別代理人の選任を要する場合の年齢要件は、18歳未満となります。
(※施行時期である令和4年4月1日以後に18歳に達する者から適用されます。)
また、相続税等における取扱いにも変更があり、
【イ】相続税の未成年者控除の対象となる年齢が18歳未満とされます。
【ロ】次の特例における受贈者の要件が18歳以上とされます。
① 相続時精算課税制度(受贈者が贈与者の推定相続人及び孫である場合)
② 直系尊属から贈与を受けた場合の特例税率
③ 非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度
(※上記イ、ロは施行日である令和4年4月1日以後の相続、遺贈及び贈与によって取得した財産に係る課税について適用されます。)