柏樹 正一 - ライブラリー

賃上げ支援~所得拡大促進税制の拡充

税理士 柏樹 正一のコラム(第56回)

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 令和4年度の税制改正において、青色申告の中小企業者が従業員への給与等を前年度より増加させ、一定の要件を満たした場合、その増加額の一部を税額控除(適用年度の法人税額の20%が上限)できる所得拡大促進税制について、成長と分配の好循環の実現に向けて賃上げを支援する観点から、令和4年4月以降に開始する事業年度から2年間(令和5年3月期~令和7年2月期)は税額控除の上乗せ措置を見直し、税額控除率が最大40%(現行25%)に拡充されることになりました。

 具体的には、企業全体の雇用者給与(雇用者給与等支給額)が前年度比1.5%以上増加した場合は、現行(令和4年3月期~令和5年2月期)と同様、その増加額の15%の税額控除ですが、上乗せ措置については、現行、①雇用者給与等支給額が前年度比2.5%以上増加し、かつ、➁教育訓練費が10%以上増加している、又は中小企業等経営強化法に基づく経営力計画向上の認定を受け経営力向上の証明がされた場合には10%加算され、合計で最大25%の税額控除であったものが、改正により、①雇用者給与等支給額が前年度比2.5%以上増加した場合には15%加算され、また、➁教育訓練費が10%以上増加した場合には10%加算され、合計で最大40%の税額控除に拡充されました。

倶知安事務所 所長 税理士 柏樹 正一