法人成りした場合の一括償却資産の必要経費算入時期
税理士 柏樹 正一のコラム(第43回)
取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産(一括償却資産)については、通常の減価償却の方法に代えて、3年間にわたり均等に必要経費に算入することが選択できます。
この取扱いの趣旨は、一括償却資産を個別管理することに要する事務負担を軽減するため、業務の用に供した年以後の個々の資産の状況にかかわらず機械的に必要経費に算入するというものです。
そして、この取扱いを選択した場合、一括償却資産が滅失、除却、譲渡されたとしても、損失として計上したり、取得費として控除することはできず、3年間にわたって均等償却を続けることになります。
一方、個人事業を廃止し、法人成りし一括償却資産を法人に引き継ぐ際、取得価額のうち必要経費に算入されていない部分の金額については、一括償却資産について相続があった場合、当該金額について、原則として死亡した日の属する年分の必要経費に算入できるという取扱いに準じて、廃業した日の属する年分の必要経費に算入することとされています。