ひとり親(未婚・男性・女性)に対する税格差の解消
税理士 柏樹 正一のコラム(第41回)
令和2年度税制改正において、次のような、所得税の寡婦(夫)控除の見直しが行われました。
これまで、ひとり親について、死別・離婚の場合は寡婦(夫)控除の適用対象となるのに対し、未婚の場合は適用対象とされず、婚姻歴の有無によって控除の適用差がありました。
また、男性のひとり親と女性のひとり親で寡婦(夫)控除の要件や控除額が異なっており、男女の間でも控除の適用差がありました。
そこで、婚姻の有無による格差や男女間格差の解消を図り、すべてのひとり親に対して公平な税制を実現する観点から、
① 婚姻歴や性別にかかわらず、生計を同じくする子(所得48万円以下)を持つ単身者(所得500万
円以下)について、同一の「ひとり親控除」(控除額35万円)が適用されることになりました。
➁ ①以外の寡婦については、引き続き寡婦控除として控除額27万円が適用されますが、
子以外の扶養親族を持つ寡婦にも所得制限(500万円以下)が設けられました。
この改正は、令和2年分以後の所得税において適用されます。