森 麻里 - ライブラリー

不動産の登記義務化

あるお客様のお話です。                                   100歳の長寿を全うし父が亡くなりました。                         四十九日の法要も済ませ、一人息子の私が父の土地を相続しようと法務局に行ってわかったことは・・・。                                        土地の名義は父ではなく祖父の名義だったのです。                      祖父の死後、相続登記をしないまま父が亡くなったというわけです。              祖父の遺産分割協議をしなければ、私の名義にできないと言われました。

祖父の相続人、祖母・叔父・叔母は既に亡くなっています。                  となると叔父・叔母の子と自分が相続人です。                        従兄弟たちとはあまり付き合いがなく、亡くなっている従兄弟もいます。             土地を自分の名義にするまでどれだけ時間がかかるか、気が遠くなります。

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これまでは相続登記や住所変更登記は義務ではありませんでした。               その結果、登記をしないまま放置されている所有者不明土地(※)が増加し、国や自治体が公用地として買収できなかったり、民間人同士が売買できないという問題が起きていました。        このようなことから2021年4月に所有者不明土地の解消に向け相続登記を義務化する改正法案が可決され、2024年を目途に施行される見込みです。

改正法が施行されると、登記が義務化され怠った人は過料を受ける可能性があります。既に亡くなった先祖の名義のままの不動産をお持ちの方は早めに対応していくことをお勧めいたします。  

http://www.moj.go.jp/content/001347356.pdf 

※所有者不明土地・・・                                  ①不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地(相続登記をしていない等)         ②所有者が判明しても、その所在が不明で連絡がつかない土地(所有者が引越しても住所変更登記をしていない等)