近江谷 裕之 - ライブラリー

リスクマネジメント

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北海道にとって9月は大災害に見舞われた月でした。
 
4日から5日にかけての台風21号上陸。
6日の北海道胆振東部地震。
そして地震に端を発した国内初のブラックアウト。
 
被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
 
 私の所属している岩内地方では地震による直接的な被害は聞いておりませんが、食料品を扱う顧問先から停電による商品等の廃棄は多く聞いております。
 
 不幸中の幸いで岩内地方は比較的早く電気が復旧したため被害は大きくならずに済んだようです。
(冷蔵庫の商品は廃棄、冷凍庫の商品は無事)
 
 もし当初発表されていた電力復旧までに1週間かかった場合、水産加工場等では冷凍庫の原料廃棄が数千万円単位になったことが予想されます。
 
 保険会社に確認したところ「地震に起因する間接損害(停電等による損害)を補償する保険は扱っていない」とのことでした。
(風災・雪災等に起因する停電の損害を補償する保険はあります)
 
 災害に対するリスクマネジメントには①リスクコントロールと②リスクファイナンシングがあります。
①リスクコントロール  …リスクの回避、発生頻度の抑制、損失規模の軽減など
②リスクファイナンシング…発生した損失をどうするか? 移転(損害保険の活用)、保有(自己負担)
 
 今回のようにリスクファイナンシングの移転(損害保険)が機能しない場合は
特にリスクコントロールが重要になります。
 
 地震の回避や発生頻度の抑制は対策しようがありませんが、在庫の圧縮や発電機の準備などで損失規模の軽減は可能です。
 
最近ニュースで観測史上最大という言葉を頻繁に聞くようになりました。
以前に比べ日本での自然災害の発生頻度が高くなっていると思います。
 
 比較的自然災害の少ない北海道でも今回の地震がリスクマネジメント見直しのきっかけになればと思います。