100年企業をめざす「事業の承継」 (第28回)
30.M&Aを成功させる必須条件は?
POINT
1 ► 万全な準備をする |
2 ► 秘密保持 |
3 ► 第二の人生設計を明確にする |
◎ 万全な準備をする
M&Aによる事業承継方法を円滑に実行するためには、経営者一族の理解はもちろん、役員や従業員、取引先、金融機関への説明と理解が必要になります。また、魅力的な企業づくりも必要です。条件に合った買い手候補が、いつ現れるかわかりません。
買い手候補が現れても、事前準備が不十分な場合は、売却条件を明確にできず売り逃したり、安価で売却することになってしまう可能性があります。常に企業価値を意識し、磨いておくことが肝要です。
M&Aは、準備から最終契約まで、数年かかる可能性があります。それだけ、売り手にとっても買い手にとっても、重要な取引です。万全な準備で取り組んでください。
◎
秘密保持
M&Aにより買い手候補を探す場合に、どうしても企業の情報を開示しなければなりません。しかし、準備も固まっていない時期に、役員や従業員、取引先、金融機関などにM&Aの動きが漏れれば、経営に大きなダメージを受ける可能性があります。
たとえば、社内には不安が広がり、生産効率が落ちる可能性があります。有効な取引先が離れてしまうかもしれません。取引条件が変わる可能性もあります。情報管理を行い、外部に漏れないよう万全の配慮なくては、M&Aの成功はありません。
◎ 第二の人生設計を明確にする
経営者の中には、企業を手放すことで、何も無くなってしまう恐怖感を持つ方もいるようです。引退後の第二の人生を明確にすることで、前向きにM&Aの準備および実施に取り組むことができます。
M&A実行後の人生設計は、100人いれば100色の設計があります。M&Aに成功し経営者だけが持っている権利で利潤を追求し、ハッピーリタイアメントを実現してください。
次回タイトル
【事業承継は何から始めればいいですか?】
H26.4.15 更新予定です。 どうぞお楽しみに!