100年企業をめざす「事業の承継」 (第24回)
26.M&Aで現実的な承継方法はありますか?
POINT
1 ► 6つの利用形態の特徴を知る |
◎ 6つの利用形態の特徴を知る
M&Aを実際進める方法として、次の6つがあります。
① 株式譲渡
買取側が株式を取得することで、経営権を得ます。M&Aの中で最も手続きが簡単です。
さらに、事業承継を前提としてのM&Aのほとんどが、この株式譲渡です。
② 第三者割当増資
売却する企業が、新しく株式を発行します。その株式を買取企業に引き受けてもらいます。
買取られた新株払込資金は、会社に資本注入されてしまうため、売却側経営者の引退後
の資金は期待できません。しかし、企業の財務基盤は強化されるでしょう。
③ 株式交換
買収される企業の株式と、買収する企業の株式を交換する方法です。したがって、現金が
なくてもM&Aで企業買収することができます。
買収企業が上場している場合は、売り手経営者には株価変動によるリスクはありますが、
現金化が容易です。一方非上場企業の場合は、現金化が困難です。
④ 事業譲渡
会社の事業の全部または、一部分を売買する方法です。企業全体のM&A先が見つからな
い場合でも、優れた部門を切り離し譲渡することができます。
この方法は、譲渡する部分と残す部分を明確にする必要があります。たとえば、従業員や
設備機器について、引き継いでもらうのかを明確にします。
譲渡は企業との契約になりますので、売却代金は企業に振り込まれます。経営者は、利益が
あれば配当でその代金を受け取ることになります。
⑤ 合併
合併は、2つ以上の企業が合体し、1つの企業とする方法です。
会社法で定められている合併方法は、次の2つです。
● 吸収合併
承継する企業(存続会社)に全てを統合させ、承継される会社(消滅会社)は消滅します。
消滅会社への対価は、存続会社の株式や不動産などの財産も可能です。
● 新設合併
新しい企業を新設し、その企業に統合させます。統合された企業は全て消滅します。
既存企業が有する許認可や免許など、引き継ぐことはできません。
⑥ 会社分割
1つの会社を2つ以上に分割し、分割した部門を別会社として、譲渡する方法です。
これにより、業績のよい部門だけを譲渡し、悪い部門は清算することもできます。
また、売却資金は新株発行から求めることもできます。
M&Aの代表的手法
次回タイトル
【M&Aを実行するまでの手続き方法は?】
H26.2.15 更新予定です。 どうぞお楽しみに!