100年企業をめざす「事業の承継」(第76回)
77.経営権を承継させるときに必要な対策を教えて下さい
POINT
1 ► 将来起こりうる問題を解決する |
2 ► 経営者としての資質を磨く |
◎ ———— 将来起こりうる問題を解決する
経営権の承継は「代表取締役社長」の交代です。経営を自分の意思で実行する権限を承継します。中小企業の場合は、現経営者が大株主であることが一般的なので、経営権を承継するだけでしたら、後継者さえ決まっていれば株主総会で選任するのは容易です。
しかし、企業活動を行っていくには、従業員や取引先、金融機関など多くの「人」が関係します。それぞれの思惑も、絡み合います。経営権を承継するときには、将来起こりうる問題に対して、充分なプロセス設計を行うことが必要となります。
事業承継では、後継者は新体制を作り安定化させる必要があります。しかし、充分な対策を取らなければ、後継者は問題解決に翻弄され、新体制作りが疎かになる可能性もあります。現経営者は後継者と共に、事業承継を実施する前に、将来起こりうる問題を洗いだし、解決することが必要です。
● 関係者へ周知する順番と方法
● 先代経営者の見守り期間
● 新体制の構築
これらに対して、充分なプロセス設計を行い、経営権の承継を実施してください。
◎ ———— 経営者としての資質を磨く
事業承継は、企業が持つ「人」「モノ」「カネ」「情報」「時間」のすべての資源を把握し、承継します。経営資源を把握し、新体制での市場競争力や内部の組織体制、マーケティングの検討も必要でしょう。後継者が力を充分に発揮できる、新しい経営・組織体制を作ります。
後継者は経営権を承継するまでに、経営者としての役割をしっかり認識し、経営者としての資質を磨くことが課題になります。
経営者に必要な資質は、数多くあると思いますが、主に次があげられるでしょう。
① リーダーシップ
② 組織を引っ張りチームワークを高める力
③ 戦略や戦術能力・ビジョンがある
④ 関係者と友好な関係を築くことができる力
⑤ 将来や人などを見抜く力
⑥ 誠実・謙虚
次回タイトル
【非公開会社だけの優遇規定とは何ですか?】
H28.4.15 更新予定です。 どうぞお楽しみに!