100年企業をめざす「事業の承継」(第6回)
8.後継者候補への説得の方法を教えてください
POINT
1 ► 後継者は、現経営者が育てるもの |
2 ► 後継者候補の気持ちを考えてみる |
◎ 後継者は、現経営者が育てるもの
日本の中小企業のほとんどが、同族会社となっています(国税庁「平成16年分税務統計からみた法人企業の実態」)結果的に経営権と所有権が一致するため、後継者候補として親族を望む経営者は、多くいらっしゃいます。
しかし、経営者である親の気持ちとは裏腹に、親の事業の将来性に疑問を持ち、承諾しないケースも増えているようです。後継者にしたい子がいる場合には、まだ社会人になっていなくても、経営者としての使命感や生きざまといった、情熱を伝えることが大切です。そして、経営について一緒に意見を交換する場を、持つことも必要でしょう。
候補者が承継を承諾しない理由(承継未定企業)
今の時代「以心伝心」で「黙っていても子が承継してくれる」ということはありません。
◎ 後継者の気持ちを考えてみる
昔は家督相続制度があったため、長子は家業を継ぐことを義務と考えられていました。しかし、現在はあらゆる分野から、自由に仕事を選ぶことができます。そんな時代に、経営者が家に帰り仕事の愚痴ばかりを家族にこぼしていたら、子は継ぎたいと思うでしょうか?
子も社会に出て、結婚し子を持つようになれば、生活は大きく変化します。育メンとして、配偶者と協力して子を育て、家庭を守る中で、将来性を見いだせない親の企業を継ぐよりも、サラリーマンの方がいいと考えるようになります。
経営者として、仕事に誇りを持ち、社会的価値と人生価値を理解してもらうようにコミュニケーションをとるべきです。
そして、誰もが承継したくなる魅力的な、企業作りを進めてください。
次回タイトル
【事業承継を成功させるための必須条件は?】
H25.5.15更新予定です。どうぞお楽しみに!!