100年企業をめざす「事業の承継」(第59回)
60.非上場株式の相続税の納税猶予を、有効的に活用する方法を教えて下さい
POINT
1 ► 適用を受けるための要件 |
2 ► 納税猶予に係る期限の確定 |
◎ ———— 適用を受けるための要件
この制度を活用するにあたり、相続開始後に次の要件を満たしていることについて、経済産業大臣の認定を受けます。
● 会社の要件
① 非上場会社
② 中小企業基本法の中小企業
③ 風俗営業会社に該当しないこと
④ 資産管理会社に該当しないこと
⑤ 直前事業年度における総収入金額が0の会社に該当しないこと
⑥ 従業員数が0の会社に該当しないこと
● 後継者(相続人など)の要件
① 相続開始から5ヵ月後までに会社の代表者に就任すること
② 前経営者の親族
③ 相続開始の時に、後継者と後継者の同族関係にあるもので、総議決権数の50%超の
議決権数を保有し、かつこれらの中で最も多くの議決権数を保有すること
● 前経営者である被相続人の主な要件
① 会社の代表者であったこと
② 相続直前において、被相続人及び被相続人と同族関係等のある者で、総議決権数の
50%超の議決権数を保有し、かつ後継者を除いたこれらの者の中で、最も多くの
議決権を保有していたこと
● 担保提供
納税が猶予される、相続税額及び利子税の額に見合う担保を、税務署に提出
◎ ———— 納税猶予に係る期限の確定
納税猶予制度の適用を受ける後継者や認定承継会社が、一定の事由により相続税の納税猶予に係る期限とされ、猶予中の相続税の全部または一部を、納付しなければならなくなります。
主な事由は、次になります。
① 経営を承継した相続人が、認定承継会社の代表者でなくなった場合(精神障害者保健福祉手帳
1級・身体障害者手帳1、2級の交付を受けた場合等、やむを得ない事由がある場合は除く)
② 経営報告基準日において、常時使用従業員の数が、認定承継会社の相続開始の時よりも
80%を下回ることとなった場合
③ 事業を承継した相続人とその相続関係者が有する議決権の数の合計が、総株主等議決権数の
50%以下となった場合
④ 経営を承継した相続人の同族関係者が有する議決権が、承継した者の議決権を超えることと
なった場合
⑤ 特例非上場株式等の一部または全部を、譲渡もしくは贈与した場合
⑥ 認定承継会社が解散した場合
⑦ 認定承継会社の総収入金額が0となった場合 など
相続税の納税猶予制度の適用に係る、相続税の申告書の提出期限の翌日から、
利子税を合わせて納付することになります。
次回タイトル
【相続税の納税猶予の手続きは大変ですか?】
H27.8.1更新予定です。 どうぞお楽しみに!