100年企業をめざす「事業の承継」(第55回)
56.遺留分に関する民法の特例って何ですか?(その1)
POINT (POINT 3・4 は次回掲載します)
1 ► 特例の概要 |
2 ► 利用できる企業の条件 |
◎ ———— 特例の概要
後継者が中小企業の相続や贈与などにより、自社株式を取得する場合に起こる、遺留分制度による制約を解決するために、次の2つの合意が可能となりました。
① 除外合意 除外合意とは、後継者が先代経営者からの贈与などにより、取得した自社株式の全部
または一部を、遺留分算定基礎財産に算入しない合意です。したがって、遺留分減殺
請求の対象に、ならなくなります。
② 固定合意 固定合意とは、後継者が生前贈与で取得した、自社株式について遺留分算定の基礎
となる財産に算入する価額を、一定金額に固定することができる合意を行うことです。
この時の「一定金額」は、税理士などの第三者が証明した金額になります。
遺留分に関する民法の特例:例
〈本法における特例〉
「除外合意」「固定合意」いずれかの合意がなされていれば、後継者の自社株式以外の財産や、
後継者以外の法定相続人が受けた生前贈与の財産についても除外合意を行うことができます。
◎ ———— 利用できる企業の条件
この制度を利用できる中小企業は、次の対象企業となります。
① 3年以上継続して事業を行っている非上場会社
② 法人であること(個人事業主は不可)
次回タイトル
【遺留分に関する民法の特例って何ですか?】 (その2)
H27.6.1更新予定です。 どうぞお楽しみに!