中野会計事務所トップページ >> スタッフブログ >> 建物を賃借するための権利金等の税務上の取扱い
投稿者:林 俊一
|2022年06月15日(水)
税理士 林 俊一のコラム(第106回)
法人税法では、法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものを「繰延資産」として、資産計上し、その支出の効果の及ぶ期間を基礎として償却費として期間配分することとされています。
法人が建物を賃借するために支払った権利金、立退料等の費用については、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものとして繰延資産として資産計上する必要があります。
なお、繰延資産となる権利金等の償却期間は次のとおりとなります。
(1)建物の賃借に際して支払った権利金などで、契約や慣習などによって明渡しの時に借家権と
して転売できることになっている場合⇒その建物の賃借後の見積残存耐用年数の10分の7
に相当する年数
(2)(1)以外の権利金などの場合⇒5年
ただし、契約による賃借期間が5年未満の場合で、契約を更新するときには再び権利金など
の支払をすることが明らかであるときは、その賃借期間となります。
注1. 上記の償却期間に1年未満の端数があるときには、その端数を切り捨てます。
注2. 繰延資産の償却費を損金算入する場合には、確定申告書に繰延資産の償却額に関する明細書
(別表16(6))を添付する必要があります。