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投稿者:林 俊一
|2020年09月28日(月)
税理士 林 俊一のコラム(第78回)
交際費については、支出企業にとっては営業経費そのものですが、税務においては中小法人(資本金1億円以下)の場合ですと、平成26年4月1日以後に開始する事業年度から損金算入できるのは、接待飲食費の50%相当額の損金算入と定額控除限度額である800万円までの損金算入のいずれかを選択し、それを超える部分については、課税所得の計算上損金不算入(経費とならない)の扱いとなっております。
我が国ではじめて交際費課税の制度が創設されたのは、
昭和29年です。
当時の経済事情は、内需の拡大で好況を続けていた時代であり交際費の過剰な支出が
目立っていました。
社用族という言葉が生まれたのもこの時代で、法人の濫費を抑制し、企業の資本蓄積を図る政策の一つとして交際費等の損金不算入制度が新設されるにいたった訳です。
諸々の変遷はありますが、制度創設から66年経った現在でもこの制度は続いております。
ではこの交際費等とは、法律では「交際費、接待費、機密費その他の費用で法人がその得意先、仕入先、その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答、その他これらに類する行為のために支出するもの」と規定されております。
また、支出が「交際費等」に該当するというためには、
①「支出の相手方」が事業に関係ある者等であること
②「支出の目的」が事業関係者等との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図ること
③「行為の態様」が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であること
の三要件が必要であると解されております。
現在の制度では、損金算入できる交際費枠が拡大されておりますので、売上増につながるような
支出であれば多いに利用したいものです。