中野会計事務所トップページ >> スタッフブログ >> 「マイナンバー制度」について (最終回)
投稿者:古御堂 弘
|2015年08月10日(月)
税理士 古御堂 弘のコラム(第28回)
☆ 中小企業者等の事前対策
(1) 従業員等への周知
マイナンバー制度の開始を控えて、事業主がまず対応しなければならないことは、何よりも従業員等への周知です。
まず、10月に従業員に対して、市町村から「通知カード」と「個人カード交付申請書」が郵送されてきますので、しっかり保管しておくようにと伝えることが大事です。
(2)対象業務の洗い出し
企業でマイナンバーを取り扱うのは、税務関係業務と社会保険関係業務の書類作成です。
これらのうち、自社でマイナンバーの記載が必要な書類を事前に特定・確認しておく必要があります。
(3)対象者の洗い出し
マイナンバーを取得する対象者は、従業員(扶養家族を含む)は当然として、支払調書を提出することとなる報酬・料金の支払先等も該当になります。
これらのうち、マイナンバーを取得しなければならない対象者はどのようになるのかについても、事前に特定・確認しておく必要があります。
(4)委託先契約の見直し
税理士や社会保険労務士など社外の事業者に個人番号関係事務の全部又は一部を委託している場合には、委託契約を見直す必要があります。
☆ マイナンバーの安全管理措置
職員のマイナンバーを含む個人情報が外部に漏洩や不正使用があった場合には、厳しい罰則が適用されることになりますので、厳重かつ組織的な管理が必要となります。
(1)取扱規程等の策定
中小企業には義務づけがありませんが、事務の流れを明らかにするフロー図かマニュアル的なものを作成したほうが良いと思われます。
(2)組織的・人的安全管理措置
① 担当者の明確化
担当者以外がマイナンバーを取り扱うことのないように、取扱責任者や事務取扱担当者を決めてください。
② 適切な教育
従業員に対してマイナンバー制度の概要について周知してください。
また、情報の漏洩の発生に備えて責任者の連絡体制(報告・連絡・相談)を確認してください。
(3)物理的・技術的安全管理措置
① シュレッダーなどプライバシーに配慮して書類を廃棄できるよう準備をすること
② 取扱担当者を決め、他の人は情報にアクセスできない仕組みをつくること
③ パーテーション設置や座席の工夫をすること
④ カギ付き棚を用意すること
⑤ ウイルス対策ソフトの導入やアクセスパスワードを設定すること
⑥ 覗き見されない座席の配置にすること
6回にわたりマイナンバー制度について説明してきましたが、マイナンバーの通知まであと2ヶ月を切りました。
マイナンバー等の情報漏洩や不正使用が起こらないような管理体制作りを今から進めてください。
苫小牧事務所 所長 古御堂 弘